セミリジット同軸ケーブル技術情報

概要・特徴・使用例

概要

セミリジッドケーブルSCシリーズは、外部導体として無継目金属チューブを用いた構造になっています。
編組同軸ケーブルに比べて構造の精度と均一性は格段の差があり、SHF帯まで特性インピーダンスの許容差は小さく、安定した低いVSWR特性を維持しています。
一方、外部導体が無継目金属チューブであるため大きな遮蔽効果があり、SHF帯にいたる広い周波数帯に120~130dBの高遮蔽度をもっています。また、低損失で電力定格増大しています。
したがって、要求される挿入損をクリアにするためには、このSCシリーズのセミリジッドケーブルを使用することで、より小さな外径のものに置き換えができ、小型化、高集積化、高精度化、および広帯域化が計れます。
均一で安定した特性をもつ、SCシリーズの標準仕様は一般特性表をもとにご選択ください。また、構成材質表から組み合わせた製品は特注品となりますが、お気軽にご相談ください。

特長

低損失

同サイズの他のケーブルに比べ、低損失です。

低VSWR

絶縁体は厳しい許容差を維持しており、反射による電力損失を最小限におさえています。

高遮蔽性

130dB以上の高い遮蔽能力をもち、漏洩放射、および外部雑音の侵入はありません。

高電力容量

同サイズの他ケーブルに比べ、低減衰量であることにより、高い電力容量が得られます。

優れた加工性

曲げ、巻き付け、剥き出し、ハンダ付け、およびコネクターの装着が容易であり、また、外部導体を直にグランドできる等、他のケーブルに見られない優位性があります。

低インピーダンス・ケーブル

セミリジッドケーブルだから実現できる10Ω~20Ωタイプです。

使用例

セミリジッドケーブルは前記の特長により、レーダーを含む通信システムをはじめ、制御システム、放送機器、医療用電子機器、コンピューターシステムなど、多岐にわたって使用されています。